君は、狂愛の檻の中 ~偽りの君に恋をした~

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次の日の昼下がり。


「やっほ〜………あ、椎名くんもいる!」


昨日レンが言っていた通りに、ぴょこっと溜まり場に顔を出した姫──モモカ。
その場がぱっと華やぐような、けれどどこか儚い空気感を持つ少女だ。



「こんにちは」


ペコっとお辞儀をすると、当たり前のようにそれを返してくる彼女。
…………さすがはお嬢様、動作の一つ一つに育ちの良さが出てるなぁ。


「ねぇ、椎名くん。ちょっと話したいことがあるんだけど、いいかな………?」


出来れば二人きりで、と付け加えた彼女にピクッとレンさんが反応する。

………本当、過保護だなぁ。


過保護もここまで来ると、もう恋愛感情を通り越して親心とかになってそうだけど…………



「………大丈夫ですよ、蓮さん。僕は橘花さんに危害を加えたりなんかしません」


そもそも私がここに来たのは、”姫”を守るように言われたからだし。

そんな余計な事、言われなくてもしませんよ。
───と、心の中で毒づく。


ニッコリと笑顔の仮面を張り付けて、探るような視線から逃れる。

レンさんの深緑の瞳は、まだ何か言いたげに私を捉えていたけれど………



「………なら、いい」

「じゃあ、ちょっと行ってきますね。………橘花さん、行きましょう」

「はーい」


レンさんの重苦しい沈黙と、李兎の静かな観察を背中に受けながら、私は桃華さんの後を追って部屋を出た。