君は、狂愛の檻の中 ~偽りの君に恋をした~



(こっちか………?)


最後の曲がり角を強引に曲がった瞬間、
視界に飛び込んできた光景に、俺の心臓は激しく跳ね上がった。



そこには、統制の取れた不気味な動きを見せる黒服の男たちと、それに対し血反吐を吐きながら抗っている俺の仲間たちがいた。




…………問題は、敵の多くがその手に"鈍い銀色の光"を握らせているということ。



────拳銃。

この街の小競り合いには似つかわしくない、決定的な死の道具。




そんなものと素手で渡り合えば、結果がどうなるかなど、考えるまでもなかった。




────圧倒的な不利。

絶望的なまでの戦力差が、冷たい汗となって俺の背筋をつたう。








─────その時だった。




「────っ、裕太(ユウタ)!?」




弾かれたように大声のした方を見ると、背後から無機質な銃口を突きつけられている大切な仲間の姿が、スローモーションのように視界に張り付いた。







「────やめろっ!!!!」



喉が裂けるほどの怒鳴り声を上げ、自分へと標的を向けさせようと、無我夢中で叫ぶ。




(…………頼む、裕太。
頼むから、今すぐそこから逃げてくれ。

もう、これ以上─────)