─── ♠ ───
次の日の昼下がり。
「やっほ〜………あ、椎名くんもいる!」
昨日レンが言っていた通りに、ぴょこっと溜まり場に顔を出した姫──モモカ。
その場がぱっと華やぐような、けれどどこか儚い空気感を持つ少女だ。
「こんにちは」
ペコっとお辞儀をすると、当たり前のようにそれを返してくる彼女。
…………さすがはお嬢様、動作の一つ一つに育ちの良さが出てるなぁ。
「ねぇ、椎名くん。ちょっと話したいことがあるんだけど、いいかな………?」
出来れば二人きりで、と付け加えた彼女にピクッとレンさんが反応する。
………本当、過保護だなぁ。
過保護もここまで来ると、もう恋愛感情を通り越して親心とかになってそうだけど…………
「………大丈夫ですよ、蓮さん。僕は橘花さんに危害を加えたりなんかしません」
そもそも私がここに来たのは、”姫”を守るように言われたからだし。
そんな余計な事、言われなくてもしませんよ。
───と、心の中で毒づく。
ニッコリと笑顔の仮面を張り付けて、探るような視線から逃れる。
レンさんの深緑の瞳は、まだ何か言いたげに私を捉えていたけれど………
「………なら、いい」
「じゃあ、ちょっと行ってきますね。………橘花さん、行きましょう」
「はーい」
レンさんの重苦しい沈黙と、李兎の静かな観察を背中に受けながら、私は桃華さんの後を追って部屋を出た。
次の日の昼下がり。
「やっほ〜………あ、椎名くんもいる!」
昨日レンが言っていた通りに、ぴょこっと溜まり場に顔を出した姫──モモカ。
その場がぱっと華やぐような、けれどどこか儚い空気感を持つ少女だ。
「こんにちは」
ペコっとお辞儀をすると、当たり前のようにそれを返してくる彼女。
…………さすがはお嬢様、動作の一つ一つに育ちの良さが出てるなぁ。
「ねぇ、椎名くん。ちょっと話したいことがあるんだけど、いいかな………?」
出来れば二人きりで、と付け加えた彼女にピクッとレンさんが反応する。
………本当、過保護だなぁ。
過保護もここまで来ると、もう恋愛感情を通り越して親心とかになってそうだけど…………
「………大丈夫ですよ、蓮さん。僕は橘花さんに危害を加えたりなんかしません」
そもそも私がここに来たのは、”姫”を守るように言われたからだし。
そんな余計な事、言われなくてもしませんよ。
───と、心の中で毒づく。
ニッコリと笑顔の仮面を張り付けて、探るような視線から逃れる。
レンさんの深緑の瞳は、まだ何か言いたげに私を捉えていたけれど………
「………なら、いい」
「じゃあ、ちょっと行ってきますね。………橘花さん、行きましょう」
「はーい」
レンさんの重苦しい沈黙と、李兎の静かな観察を背中に受けながら、私は桃華さんの後を追って部屋を出た。

