君は、狂愛の檻の中


「ダメ………?」


「……………要するに、桃華さんを好きになるな、ってことです」


「えっ、あっ、僕はただ、橘花さんを人として気になるっていう意味で………」


あわててそう付け足すと、あからさまに安心した様子の”レンさん”と李兎。


「え、じゃあ逆に蓮さんと李兎は、橘花さんのこと、どう思って…………」


「…………私は桃華さんのこと、妹のような存在だと思っています。"幼なじみ"や"姫"というよりは、"妹"って感じですね」


妹、か………


李兎らしい、返答だな。


「俺、は…………わからない」


ゆっくりと、”レンさん”の口が動く。


「わからない……?」


「もしかしたら、ひとりの女として好きなのかもしれないし………それは"姫"や"幼なじみ"としての感情なのかもしれない。」


「……………」


「でも……俺の人生は、桃華のモノだから……桃華の望むことは、なるべく叶えてやりたい」


諦めとは少し違う、どこか遠くを見ているような悲し気な瞳。


"自分はのことは、この際どうでもいい"


そう、言っているように聞こえた。