君は、狂愛の檻の中


「………そういえば、姫……橘花さんはここに来ないんですか………?」


「あ?それはな、……」


私が一番気になっているのはそこ。


"姫"なんて言うから、もっと溜まり場に来ると思ってたのに。


…………私が仲間になってから、その姿を一度も見かけなかった。


「………桃華さんは、立場上、色々と難しいですからね。予定もそうですし、なにより両親が私たちのことをあまりよく思ってないみたいで」


「…………」


………なるほど、確かに生粋のお嬢様が暴走族に関わるのを喜ぶ親なんていないか。


まあ、普段は"ソッチ"の護衛なんかが付いているんだろうし、そこまで私が警戒する必要はないよね。


「それに………まあ、少し変な言い方になってしまいますけど、姫は敵にとって絶好の獲物ですから、家の方にいてもらったほうが安全、と私たちが判断しました。」


「なるほど……じゃあ、しばらくは来ないのか」


「お前、桃華のこと、気になんの?」


ジッと、ソファに横になったままの”レンさん”が、深緑色の瞳に私を映す。


「え、あ、いや………」


「………先に言っておくが、アイツはダメだ」