君は、狂愛の檻の中 ~偽りの君に恋をした~

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たどり着いたのは、普段の俺たちの活動範囲からは大きく外れた、都心の高級一等地。



「……ここ、か?」


止められた車から降りた俺は、目の前にそびえ立つ建造物を見上げて息を呑んだ。



周囲の建物を圧倒するような、洗練された高層高級マンション。

全面ガラス張りのエントランスには高級外車が何台も横付けされ、一見すれば誰もが憧れるような場所だ。 



……だが、その周囲をうろつく黒スーツの男たちの鋭い眼光や、一般人を寄せ付けない独特の異様な空気が、ここがただの住宅ではないことを物語っていた。


街の噂で聞いた、ある最悪な名前がふと脳裏をよぎる。



ルールも、常識も、警察の目すら通用しない──本物の裏社会を牛耳る、巨大な闇。



「まさか……っ、ここって……」


喉の奥がカラカラに乾き、思わずごくりと生唾を飲み込む。


俺たちみたいな高校生の暴走族が、喧嘩上等で殴り込めるような相手じゃ断じてない。

────住む世界が違いすぎる、本物の怪物の根城だ。





動揺を隠せず足がすくみそうになる俺の隣で、由良はポケットに手を突っ込んだまま、冷徹な目でそのマンションを見つめていた。



「──そう。ここは、お前らみたいな”不良”なんかが決して足を踏み入れてはいけない場所───氷晶の五戦華〈Crystal Quintet〉の総本部」



───感情の起伏が一切ない、冷ややかな声だった。