理事長室の中にあった隠し扉がバンッと大きな音をたてて開いた。


『『光輝…!』』


中から出てきたのは由衣と由良。


光輝…?


誰…?


あ、もしかして理事長の名前…?


なにやらあせった顔をしている二人。


こっちはいったいどうしたんだ…?


ていうか、やっぱり由衣はここにいたのか…


驚きつつも少しショックを受けていると今度は涼のスマホがなった。


『なんだ?』


画面をのぞきこんだ涼と陽人の顔が固まる。


はあ、今度はこっち…?


若干あきれつつも、


「どうしたの?」


と、聞くと…


『まただ…』


「また…?」


『また、下っ端がやられた。今度は15人…』


『「!」』


最近、月華の下っ端が正体不明の何者かに襲われるという事件が多発していた。


最初は1人か2人ずつだったから、スルーしていたけど…


一昨日、襲われる人数が増えてさすがにヤバいってことで、常に数人で固まって行動をするように注意したはずなのに…


しかも今回は15人とだいぶ集団…


にもかかわらず全滅、か…


いったい今、俺の周りでなにが起こってるの…?








その時の俺たちは気が付かなかった。


由衣と由良、そして理事長がジッとこっちを見ていたことを_



〜太晴SIDE end〜