君は、狂愛の檻の中 ~偽りの君に恋をした~


「あの、なんで自己紹介を………?」


ただの一般生徒である私に、なぜこの街の頂点に立つような男たちが名乗ってくるのか。
それに、”よろしく”なんて、まるでこれからの関係を前提としているような……



「あ?そんなの、今日からお前が俺たちの仲間になるからだろ」

「……………………え?」


予想もしていなかったレンさんの言葉に、思わず思考が停止する。


「な、んで………僕、ケンカとか全然出来ませんよ……?その、威厳とかも無いし……」





「なんで、か………俺と桃華を庇おうとしたお前に、一目惚れした、から……?」

「ひっ、一目惚れ……!?」


思わず裏返った変な声が出る。
一目惚れ? 恋愛的な意味……なわけない。


じゃあ、どうして………


「…………なんて、カッコいい理由だったらよかったんだけどな。」


レンさんが苦笑混じりに視線を外す。


「へ………?」

「続きは僕から説明するね。まず、キミ、最近蓮とよく一緒にいたよね?」


青髪の大晴さんが、困ったような笑みを浮かべて身を乗り出してきた。


「え、あ、まあ………」

「それを、ちょっと面倒くさい奴に見られちゃってね。……そこまではまあよかったんだけど、さっきの抗争で………」

「由良、蓮と桃華を庇ったじゃん?」


赤髪の陽人さんが、ガシガシと自分の頭を掻きながら言葉を継ぐ。


「それで、完全に勘違いされたってワケ」

「えっ………」


嫌な予感が背筋を駆け抜ける。
……勘違い? 誰に?


「だから、このままだと、貴方が"月華"だと勘違いされて見境なしに襲われることになってしまいます。」

「…………」


メガネの李兎さんが、淡々と、けれど残酷な事実を突きつけてきた。
嘘だと思いたいけれど……レンズの奥の瞳は、冗談を言っているようには見えない。



「聞くところによると、由良はあんまケンカが得意じゃないんでしょー?」


金髪の裕太さんが、ベッドの端に腰掛けて私の顔を覗き込む。


「だから、俺たちで守ってあげましょーってコト」


「…………」