君は、狂愛の檻の中 ~偽りの君に恋をした~



────湊はゆっくりと首を横に振ると、重い口を開いた。



「言葉通りの意味だよ。……その情報の場所に行ったら、最初から敵が待ち伏せしてた」


「……っ、嘘だろ……」



頭の中が一瞬にして真っ白になり、足元がぐらりと揺れた。



あいつが、由衣が、今どこかも分からない場所で敵の手に落ちている──。


……想像しただけで、全身の血が逆流するような怒りと、押しつぶされそうな恐怖が襲ってくる。





激しい動揺を隠せない俺を前に、湊は視線を斜め下に落とし、綺麗な眉をひそめた。



「……でも、よく考えたら由衣ならそんな簡単に捕まることはないはずなんだけどなぁ」


ぽつりと、湊の口から疑問が漏れる。



「確かに……」


俺も我に返り、小さく同意する。


……由衣は、決してただ守られるだけの弱い存在じゃない。


たとえ不意を突かれたとしても、無抵抗に連れ去られるような奴ではないはずだ。



──それは、この前の動きを見て確信した。

あいつのあの身のこなしなら、必ず何か一手は打てたはずだ。








───室内に重苦しい沈黙が流れる。


あいつの強さなら、逃げるなり時間稼ぎをするなりできたはずだ。



(……なのに、なんで。)


なんで、そんなにあっさりと捕まった?




それまで深く思考を巡らせていた湊が、やがて何かにたどり着いたようにハッと目を見開いた。