(だから、お願いだ……どうか、無事でいて)
男だとか、女だとか……利用されてたとか、そんなことはもうどうでもいい。
由衣は、俺たちの凍りついた過去を溶かしてくれた、かけがえのない大切な仲間なんだ。
中学生のあの頃、俺はふたつの感情に挟まれて動けなかった。
烈の裏切りと、蓮が血を流して倒れる姿を、ただ呆然と見ていることしかできなかった。
……あのときの、何もできなかった自分の無力さが、情けなくて、悔しくて。
ずっと、心のどこかで自分を責め続けていた。
だけど────もう二度と、あんな最悪な結末は繰り返さない。
今の俺は、あの頃のようにただ怯えて立ち尽くすだけの子供じゃない。
大切なリーダーを、大好きな仲間を、二度と傷つけさせやしない。
「……待ってて、由衣。君のことは、俺たちが必ず見つけ出すから」
胸の奥で、静かに、けれど激しく火が灯るのを感じていた。
これ以上蓮を絶望させないために。
俺たちの居場所を守るために。
……まずは、どんな小さな手がかりでもいい。
俺の持てるすべての繋がりを使って、あの子の居場所を絶対に突き止めてみせる。
────覚悟を決めろ、九条。
俺たちの"月華"を怒らせたことを、骨の髄まで後悔させてやるから。



