君は、狂愛の檻の中


「………お前、倒れたんだよ」


「────え?」


「俺たちをかばって、敵が逃げた後に」


「敵……?」


「正体不明の黒ずくめ集団」


「──────あっ」


…………そうだ、全部思い出した。


姫の後を追っていたら、怪しげな黒服の男たちと鉢合わせして。


ソイツらを倒しながら進んで、あわてて現場に駆け付けたら…………


"元気そうで、よかった"


「─────っ、」


グッと、唇を噛む。


…………なんで。


…………どうして。


"貴方"が、あそこに─────


行き場のないいくつもの疑問を、無理やりグッと飲み込む。


────ダメだ、こんなことでうろたえたら。









「────なあ、」


「君、名前なんていうの?」


「…………えっ……?」


ハッと、いきなり現実に連れ戻された。


「……あ、俺は佐々木裕太(ササキユウタ)」


一応幹部ね、と付け加えられる。


…………目立つ金髪に、耳にとどまらずたくさんつけられたピアス。


そして、緩めにつけているネクタイと、第三ボタンまで開けられたシャツが………彼を、”不良”だと物語っている。