背中に冷たい汗を流し始めた男たちに向かって私はこれ以上多くを語るつもりはなかった。
「あなたたち、きっと無事じゃ済まない」
……感情の消え去った瞳で、それだけをぽつりと言い放つ。
低く、けれど部屋の隅々まで響き渡った私の警告に、男たちは息を呑み、まるで死神に睨まれたかのように完全に硬直した。
───沈黙が部屋を支配する。
しばらくして、気圧されていた男たちのひとりが、自分の恐怖を誤魔化すように顔を真っ赤にして激昂した。
「あ、あぁん!? 舐めた口叩いてんじゃねぇぞ、ガキが!」
一歩前に踏み出した男が、私に向けて大きく拳を振り上げる。
「俺たちにそんなこと言って、許されると思ってんのかぁ!?」
鈍い衝撃音と共に、私の顔が勢いよく真横に弾け飛んだ。
頬に走る、焼けるような激痛。
───口の中に広がる、鉄の味。
縛られた椅子ごと後ろに倒れそうになるのを、奥歯を噛み締めて必死に耐える。
「おい、流石にそれはやりすぎだろ!」
「うるせぇ! このアマ、調子に乗りやがって……!」
仲間が焦って止める声が聞こえるけれど、殴った本人の拳は細かく震えていた。
"ただ"の女子高生を殴っただけなのに、彼らは狂気的な何かに怯えている。



