「……ねぇ」
私は縛られたまま、感情の消えた瞳で男たちをまっすぐに見据えた。
「あなたたち、Goshawkの人間でしょ」
驚くほど低く冷え切った私の声が、室内の空気を一瞬で凍りつかせる。
───泣き叫ぶと思っていた獲物の口から、出るはずのない自分たちの組織の名前が飛び出したのだ。
男たちの下品な笑いがぴたりと止まり、彼らは気圧されたように一歩身を引いた。
「な、なんでその名前を……っ」
「おい、この女、ただの一般人じゃねぇぞ!」
あからさまに動揺し、お互いに顔を見合わせる下っ端たち。
その無様な姿を、私はただ冷徹に見下ろす。
────彼らは何も分かっていない。
自分たちが誰を怒らせ、誰の逆鱗に触れてしまったのか。
(…………大丈夫。きっと、みんなが助けに来てくれる)
みんな───なぜか、その時頭に浮かんだのは蓮さんではなく、別の顔だった。
九条の執念も、かつての仲間たちの絆の強さも、私が一番よく知っている。
あの日から引き裂かれていた私たちの時間が、この事件をきっかけにまた動き出す予感がした。



