君は、狂愛の檻の中 ~偽りの君に恋をした~

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重い瞼を押し上げると、視界に飛び込んできたのは見慣れないコンクリートの天井だった。


肌を刺すようなひんやりとした空気と、鼻を突くカビ臭さ。



自由の利かない手首の感覚で、自分が椅子に縛り付けられているのだとすぐに分かった。



(……あぁ、そっか)



パニックを起こすどころか、私の頭は恐ろしいほど冷静だった。




あの時感じた背後の気配。

弱った心につけ込まれて動けなくなった身体。


……そして、意識を失う寸前に月光の下で見た、あの忌まわしい鷹のラペルピン。




すべてが脳内で繋がり、一本の線になる。










────私は"また"、一年前と同じようにあいつらに拉致されたのだ。







「はぁ…………」


小さく、諦めにも似た吐息が唇から零れた。




"これ"が二回目だからかもしれない。


恐怖を通り越して、胸の奥から湧き上がってきたのは、自分でも驚くほどの冷めた感情。



(───湊から教えてもらった情報にあったのは、全て私を捕まえるための"罠"だったのか)