君は、狂愛の檻の中 ~偽りの君に恋をした~




────彼らの真の目的は、元から床に転がっている大量の『死体』だった。


黒服たちは一切の私語を交わさず、機械的な手際で死体を次々と担ぎ上げていく。




ある者は床の血溜まりを特殊な薬剤で拭き取り、ある者は薬莢や痕跡がないか床を這うように調べている。



────それは、慣れっこだと言わんばかりの、あまりにも迅速で完璧な『後処理(掃除)』だった。







「おい、お前ら……何者だ!コイツらの仲間か……!?」



堪らず陽人が声を荒らげたが、目の前の黒服は表情一つ変えず、俺たちの前を通り過ぎて死体を運び出していく。


────完全に無視されている。



全国イチの暴走族の総長であるはずの俺たちが、ここではただの『風景』扱いやゴミのように扱われていた。




手出しをすることすら躊躇われるほどの、圧倒的な組織の力。




目の前で淡々と進む異常な光景を、俺たちはただ冷や汗を流しながら、立ち尽くして見つめることしかできなかった────……