君は、狂愛の檻の中 ~偽りの君に恋をした~




「無事……? なんでお前にそんなことが言い切れるんだよ!」


俺は掴んだ肩にさらに力を込めた。



由衣が無事なら、それでいい。

……だけど、だったらなぜここにいない。





「どこにいるんだ。由衣は今、どこにいる!」



激昂する俺の声が、冷え切った倉庫に虚しく響き渡る。




────しかし、由良はそれ以上、何も答えなかった。


ただ、感情の読めない瞳でじっと俺を見つめ返すだけ。




固く閉ざされたその唇からは、由衣の居場所を示す言葉は一言も零れ落ちなかった。







「言えよ、由良……! どこにいるんだって聞いてんだろ!!」



答えないアイツに完全に痺れを切らし、俺は拳を強く握りしめて、由良に向かって殴りかかろうとした。







──その、刹那だった。


「……ッ!?」



何が起きたのか、一瞬、理解できなかった。


────視界がぐにゃりと歪み、次の瞬間には、俺の身体は硬いコンクリートの床に叩きつけられていた。