闇色の姫

『はーい、いちゃいちゃはそこまで!!』


『見てるこっちがはずい…』


『ほんとほんと。それは二人きりの時にやって』


『ご、ごめん…』


「…いいトコだったのに」


『…じゃあ、そろそろバスに戻ろうか!』


『…清々しいくらい無視されてるね』


「ひど…」


『紘が言うこと聞かないのが悪いんでしょ!』


「…」


凪が邪魔したのが悪いでしょ…


せっかく由衣といちゃいちゃしてたのに…


『…そろそろ行かないとほんとにヤバくね?』


『ほんとだっ、あと5分で集合時間…』


『急げ〜』


小走りでバスへ戻る。


あ、そっか


俺だけバス違うんだっけ…


ま、バレないよね


『あれ?紘、こっちのバスに乗るの?』


「ん」


『バレないかな?』


「だいじょーぶでしょ」


『まあ、私としても紘がいっしょの方がうれしい…!』


うれしいこと言ってくれるじゃん…


あとでいっぱい甘やかそ…