君は、狂愛の檻の中 ~偽りの君に恋をした~



「……ねぇ、今、誰のことを想像したの?」

「は、」



由良の綺麗な瞳が、あからさまに泳いだ。



「ほら、やっぱり何か隠してる!」


勝ち誇ったように身を乗り出す私に、由良はちっと小さく舌打ちをする。




そして───

次の瞬間、ぐいっと腕を引かれて、私の身体はソファへと沈んでいた。


「……っ、由良!?」


目の前に、由良の端正な顔が迫る。

逃げられないように両手首をふんわりと押さえ込まれて、心臓がうるさいくらいに跳ねた。



双子、だけど。

血の繋がった家族、だけど。


やっぱり由良も、男の子なんだと。
───あらためて意識させられた気がした。




「しつこい。……そんなに知りたいわけ?」



低く、少しだけからかいの色が混じった声。


「知り、たい……けど。っていうか、ずるい! 私ばっかり恥ずかしい話させられて」

「……だったら、教えてあげてもいいけど」



微妙な表情をした由良が、"別に、特別とかじゃないから"と、あからさまな前置きをしてゆっくりと口を開いた。




「──いたんだよ。俺がわざわざ冷たい態度で接してるのに、怖けずに近づいてくる奴が」


フッと、由良の目元が細められる。





「裏の世界なんて知りませんーっていうような顔して、頭の中花畑でムカついたから、からかって───」


言いかけた由良の言葉が、ふっと止まった。


「……由良?」

「…………」


自分でその子のことを口にした瞬間、由良の動きが完全にフリーズする。




そして───


「っ、!!」


効果音を付けるなら、"ボンッ"だろうか。

それくらい一気に真っ赤に染まった由良。