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ふと気がつけば、俺たちの頭上で空はゆっくりと、けれど確実にその色を変えていた。
さっきまで鮮やかな茜色に染まっていたはずの水平線は、境界線を失うように少しずつ不気味な濃紺へと侵食されていって。
まるで世界の果てから忍び寄るように、遠くの暗い海が、静かにこの場所に深い夜を連れてくる。
そろそろ帰るか──頭のどこかでそんな終わりの言葉を考えかけた、まさにその時だった。
ふっ、と。
目の前に、冷たい影が落ちる。
「…………?」
一瞬にして周囲の空気が変わり、肌を刺すような緊張感が張り詰めた。
さっきまで二人の間に確かに存在していた、あの穏やかであたたかい熱が、まるで嘘だったかのように一瞬で冷え切っていく。
まるで本能で察知したみたいに、腕の中にいた由良の肩が小さく震えた。
「……っ」
その反応に、俺の神経が一気に張り詰める。
由良の身体を自分の背後に庇うようにして、一歩前へと踏み出した。
頬を撫でる潮風が、やけに冷たい。
「………おい、」
背後から掛けられたのは、低くて、けれどどこか平坦な、妙に耳に残る声だった。
まだどこか幼さの残る、声変わりが始まったばかりの途中みたいな不安定な響き。
──なのに、その一言の奥底に潜むあまりにも異常なほどの殺気だけが、ぞっとするくらいに鋭かった。
俺は警戒を最大に引き上げながら、ゆっくりと正面に向けて視線を上げた。
ふと気がつけば、俺たちの頭上で空はゆっくりと、けれど確実にその色を変えていた。
さっきまで鮮やかな茜色に染まっていたはずの水平線は、境界線を失うように少しずつ不気味な濃紺へと侵食されていって。
まるで世界の果てから忍び寄るように、遠くの暗い海が、静かにこの場所に深い夜を連れてくる。
そろそろ帰るか──頭のどこかでそんな終わりの言葉を考えかけた、まさにその時だった。
ふっ、と。
目の前に、冷たい影が落ちる。
「…………?」
一瞬にして周囲の空気が変わり、肌を刺すような緊張感が張り詰めた。
さっきまで二人の間に確かに存在していた、あの穏やかであたたかい熱が、まるで嘘だったかのように一瞬で冷え切っていく。
まるで本能で察知したみたいに、腕の中にいた由良の肩が小さく震えた。
「……っ」
その反応に、俺の神経が一気に張り詰める。
由良の身体を自分の背後に庇うようにして、一歩前へと踏み出した。
頬を撫でる潮風が、やけに冷たい。
「………おい、」
背後から掛けられたのは、低くて、けれどどこか平坦な、妙に耳に残る声だった。
まだどこか幼さの残る、声変わりが始まったばかりの途中みたいな不安定な響き。
──なのに、その一言の奥底に潜むあまりにも異常なほどの殺気だけが、ぞっとするくらいに鋭かった。
俺は警戒を最大に引き上げながら、ゆっくりと正面に向けて視線を上げた。



