闇色の姫

〈紘SIDE〉

『そんなの…、恥ずかしいから…』


由衣、照れてる…


かわいい…


「別にいいじゃん」


『見るたびに思い出しちゃうよぉ…』


「ふ~ん?」


『な、なんでニヤニヤしてるの…?』


「別にー?」


あー


かわい…


もう、かわいいしか言葉が出てこない。


ほんとはこんなかわいい由衣を凪たちに見せたくないんだけど…


できることなら…


一生俺の腕の中に閉じ込めてしまいたいくらい。


ま、


そんなことしたら由衣がイヤがるか…


「怒ってる顔もかわいー」


若干ふくらんでいる由衣の頬をぷにぷにと指でつつく。


やわらか…


一生さわってられる…


『からかわないでっ』


「ごめんごめん。_これでゆるして?」


そう言って、優しく由衣に口づける。


『『ああー!!』』


『紘っ』


「あれ、逆効果?」


『ここ、人前っ』


「ちゃんと見えないよーにしたよ」


『~そういう問題じゃないよ…!』


「いいじゃん。由衣だってキスしてほしそうな顔してたし」


『~してないよ///』


「そー?」


『うぅ…』