君は、狂愛の檻の中 ~偽りの君に恋をした~

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「……そっちこそ、何かないの?」

「俺……?」


由良が少し意外そうに眉を上げる。


「うん。由良も学校には通っていたんでしょ?おもしろい話とか、ないのかなぁって」



双子だとはいえ、私だけ手の内を明かしてみっともない姿を晒しておくのは、なんだかフェアじゃない。



――それに、本当は。

離れていた時間の彼のことを、もっと、もっと知っておきたい。


私しか知らない由良がいるように、私の知らない由良が、もうどこかにいるかもしれないから。




「………別に、由衣が知りたがってるような、おもしろいようなことは特にないよ」

「え〜、つまんないの」



「めんどくさくて女は極力避けてたし」

「そうなの……?」



……まあ、そっか。


由良は昔から無自覚に顔がいいから、中学のときだって尋常じゃなくモテていた。

煩わしくなって避けるようになるのも、無理はないか。



「じゃあ、仲がいい子は?」

「え?」


「いくら避けてたとはいえ、ひとりくらいは仲のいい女の子、いたんじゃないの?」



三日前にカフェで再会したとき、何人かのグループで来ていたみたいだし。


その中に……とか、あり得なくはないはず。






「………そんな奴、いないよ」



少しだけぶっきらぼうに視線を逸らされる。

その態度が、逆に私の探究心に火をつけた。



「私は別に"恋愛対象の女の子"って限定してないよ?他の人とはちょっと違うな〜って思うような、特別な女の子はいないのかなぁって」




「………………だから、いないって」



ウソだ。

───今、あからさまに、ほんの一瞬だけ間があいた。


昔からそう。

由良は何かを隠そうとするとき、決まってこういう反応をする。


私は一歩、由良の顔に視線を近づけた。