お前の過去にある底知れない暗闇ごと、そのすべての絶望を。
俺が、今俺たちを照らしているこの灯台の光なんかよりも、ずっと明るく、ずっとあたたかく照らし出してやるから。
「───!!」
───俺の言葉を聞いた次の瞬間。
驚きに大きく見開かれた由良の瞳から、堰を切って耐えきれなくなったように、ボロボロと大粒の涙が零れ落ちた。
言葉にならない掠れた悲鳴のような声を漏らしながら、俺の特攻服の胸元に思い切り顔を埋めてくるその細い肩。
腕の中から伝わってくるその確かな温もり、その愛おしい重み。
……そのすべてが、とっくの昔に冷え切って凍りついていた俺の心臓に、消えることのない熱い火を灯していく。
「…………っ」
思わず息を呑む。
……今までの人生でこんなにも誰かを失いたくないと心から願ったのは、初めてだった。
俺は、触れたら簡単に砕け散ってしまう壊れ物を扱うような手つきで、そっとその小さな背中に腕を回し、強く抱きしめた。



