それから少したった後、窓から音もなく紘が中に入ってきた。


『ん』


「そろったな」


『うん』


「それで手がかりなんだが…”あいつ”らは明後日、京都でなにかしらの動きをおこすらしい」


『明後日京都でって…』


『僕たちの修学旅行の行き先じゃん!しかも日時もかぶってる…』


「それが問題なんだ。修学旅行だから目立つ動きはできないし、ましてや俺なんか旅行についていけるかもわからん」


『『『『…』』』』


「…」


『『『『…』』』』


「まあ、いい方向に捉えると、最悪俺たちでなんとか出来るかもしれない。」


『う~ん、じゃあさ、僕たちが自由行動のときにこっそり抜けて調査してくるっていうのはどう?』

『それいいんじゃね?もともと五人で抜けるつもりだったし』

「おい…お前ら、行事はちゃんと参加しろって…まあ、それが一番いいかもしれないな」


『…由衣も?』


「…ああ。お前らといっしょにいる方が安全なはずだ。いいか?お前ら、なにがあっても由衣は守れよ?」


『『『『わかってる』』』』


「よし、お前ら帰っていいぞ」


『…こんな時間に呼び出されて帰れるわけないでしょ』


『今日はもうここにいる』


「そうか?」


『うん』


『俺は由衣のとこにもどる』


『じゃ~ね』


『ん』