どれだけ俺がこの熱い気持ちを向けても、どれだけその姿を必死に目で追いかけ続けたとしても。
最終的に返ってくるのは、俺と同じ温度では決して応えてくれないという、残酷な現実だけだ。
(……どっちみち、最初から叶わないってわけかよ)
喉の奥で、乾いた自嘲気味の笑いがふつふつと浮かび上がってくる。
はっ、と小さく乾いた息が口元から漏れた。
───本当に、どこまでも滑稽で情けない。
全国No.1の規模を誇る暴走族“月華”の総長を名乗り、何百人もの荒くれ者を従えてきたこの俺が。
たった一人の──地味で、影があって、目を離したら消えてしまいそうな儚い“男”に。
ここまで、心を持っていかれてるなんて。
……自分でも呆れて笑えるくらい、救いようのないバカみたいだ。
なのに、それなのに……どうしてもこいつを求めることをやめられない自分がいるのが、何よりも一番質が悪かった。
冷え切った夜の海風が、俺の火照った頬をやけに冷たく、そして容赦なく撫でて通り過ぎていった。



