〈光輝SIDE〉

そのころ理事長室では…


「チッ…全然出てこねぇ…」


光輝はイライラしながら超高速でタイピングをしていた。


「”鮫島”っていうキーワードでなにか出てくると思ったんだが…」


ん?


視界のはしにうつったキーワードがふと目にとまる。


カタカタカタ…


「はあ!?」


ウソだろ!?


よりにもよってあの日じゃねぇか!


早く紘たちに知らせねぇと…




  









「紘か?」


【…なに?】


「手がかりをつかんだ。今から来れるか?」


【…今やっと由衣が寝たんだけど】


「はあ?」


【だいだいこんな時間に電話してこないでくれる?】


「どうせお前らは起きてるだろ…」


【あ?】


「いや、なんでもない。しょうがないから由衣は寝させておけ。別にお前だけでもいい。」


【…十分後】


「わかった」










「ふう…」


いったんこれでいいか…


できれば凪たちにも来てほしいんだがしょうがないか…


『僕たちがなに?』


「うおっ」


『やっほ~』


「…お前ら、おどかすんじゃねえよ」


『光輝が僕たちもいたほうがいいって言ったんじゃん』


「…気配を消して近づくのはやめてくれ」


『え~?』


『光輝ならわかんだろ』


「…俺はもう引退したんだ」


『のわりには普通に情報整理してるよね?』


「…細かいことは気にすんな」


『はーい』