〈紘SIDE〉


「由衣、ちょっと離れよ?」


『…やだ』


「…」


さっきからずっとこの調子。


由衣が、俺にぴったりとくっついて離れない。


そろそろ離れてくれないと俺が限界なんだけど…


「由衣、離れないと襲うよ?」


『…いいよ』


え…?


『私の中を紘でいっぱいにして。…"あいつ"のこと、忘れさせて…』


「っ」


小悪魔は、極めつけに俺の唇にちゅっとキスを落とした。


それは、


ふれるだけの優しいキスだったけど


俺の中の狼を簡単に目覚めさせた。


















「くっ…」


もう何度目かわからない行為をくりかえす。


だけど、


まだ


由衣が足りない…


ごめん由衣、


とまんない…


今日は寝かせらんないかも…



〜紘SIDE end〜