終わらない物語を君へ

 いつもお弁当を持ってくるのに、今日は玄関に忘れてしまった。

 最悪。

 学食なんて、入ったこともない。
 友達もいないし、人の多いところはなるべく避けて生きてきたのに。

 さっと食べて、早く戻ろう。

 そう思って席に座った、その時だった。

 ——視線。

 正面のテーブルに座る、明らかに先輩の男子たち。
 こちらを見て、顔を寄せ合って話している。

「可愛くね?」
「声かけろよ」

 ……聞こえてるっつーの。

 箸を持つ手が、わずかに震えた。

 お願いだから、やめて。
 話しかけないで。
 無駄に注目もされたくない。

 息を潜めるように、ラーメンに視線を落とした、その瞬間。

「ラーメン、伸びるぞ」

 低くて、少し無愛想な声。

 驚いて隣を見ると、湊がいた。
 トレーを置きながら、何でもないことのように言う。