終わらない物語を君へ

 最新機種の説明を聞きながらも、蓮はどこか落ち着かない。

「これ、そんなに性能いらないんだけど……」

「動画とか、見る?」

「見ない」

「ゲームは?」

「しない」

「……電話とLINEだけ?」

「うん」

 店員さんが一瞬、言葉に詰まった。

 結局、必要最低限の機種に決まる。

「これで十分だと思いますが…」

「うん。十分だね」

 箱を受け取った蓮は、それを両手で持って、まじまじと眺めた。

「……僕、スマホ持ってる」

 しみじみと言う。

「持ってるね」

「大人っぽくない?」

「今さら感はあるけど」

「ひどい」

 二人で小さく笑う。

 初期設定をするため、フードコートの端の席に座った。

「えっと……ここ押すの?」

「そう。で、次はこれ」

「なるほど……」

 蓮は一つ一つ、真剣そのものだった。