彼の席が突然、冷たい風に包まれたように感じられた。


悠真は顔色を失い、震えながらも何とか立ち上がった。


「こんなの、絶対嘘だ……」彼はそう言って教室を飛び出した。


だが、廊下の先には誰もいなかった。


彼のスマホが鳴り響き、再びアプリの通知が届いた。


『脱落者は確定しました。現実世界でも、あなたの命は危険にさらされています。』


教室は一瞬にして静寂に包まれた。


「これ、本当にゲームなんかじゃない……」


綾の心に冷たい絶望が染み込んだ。