私は‪✕‬‪✕‬を知らないⅡ

「あんたらももうこいつの盲目的な信者になってたわけね。それは予想外だなー」


「今すぐに立ち去ると言うのであれば今日はこれ以上深追いはしない」


「・・・お言葉に甘えさせてもらおうかな?」


手に持っていたナイフを制服のポケットにしまい両手を上げるキョウ。


潔い態度に一瞬警戒はするものの先程からの一貫した態度にこちらを騙す意図はない事が分かる。


分かりたくもないが余計な読み合いをせずに済んで安堵する。





「ご主人様、早く病院行こ?」


「大丈夫?立ってるのもやっとじゃない?」


「掴まれ」


「・・・ありがと」


支えてくれる皇と水嶋には素直に甘えることにした。


随分と血を流しすぎたようだ。右手だって時間が経つにつれて感覚が無くなってきている。


流石に利き手が使えなくなるのは困るから皐月の言う通り早く病院に行きたい。


私を受け入れてくれる皆に私は甘えていた。


だからこそ最悪な事態が起きたんだと思う。








キョウに背を向け、屋上を後にしようとしたタイミング。


先に振り返っていた優里の目が見開かれると同時、





「ましろちゃん!」


小さな衝撃と共に、





鮮やかな赤が舞った。