私は‪✕‬‪✕‬を知らないⅡ

「ふっ、私相手にだなんて余程余裕がないのね。用が終わったのならさっさと帰ってよ。殺さずにいてあげるから」


お前の様子からして今この場で私達の因縁に蹴りをつけるつもりはないんだろうし。


だから、早く。


もしもの事が起こらないうちに。


「相変わらず物騒だねぇ。お前のそういうところ、"こいつら"は知ってんの?」


こいつら・・・?


まさか、


不意に笑いながら視線を屋上の入口へと向けるキョウ。


続けるようにその視線を追った事を私は後悔した。





見開いた先に居たのは、


────────今この瞬間に一番会いたくない人達。





「ましろちゃん・・・」





「ゆ、うり、皆・・・」


「ましろん、今の、・・・西の人間だって話、本当?」


「ッ」


笑顔でいてほしいと願った人達の顔はどれも強ばったもので、初めて人の視線から逃げたいと思った。


どうか嘘であって欲しいと言うような表情を浮かべる皆。


ああ。そんな皆に、もちろん嘘だよと言えたらどんなによかったか。