見えない君は大切な人


凪ちゃんは泣きそうな顔で私を見た。


「見えないんだもんね、蒼真のこと、忘れてるもんね。」


そう言ってはっとしたように空白の空間を殴った。空白にしては不自然なくらい何かに当たったように見えた。


「うるさいよ、蒼真。分かってるよ。そんなこと。」


うつむいて、唇をかみしめた。


私は覚えていない。


なんでだろう。胸が締め付けられる。確信なんて一切ないのに……


「さ、いこっかはるちゃん」


「うん。」



***



今日あったこと、過去の記憶。


彼の姿が目の奥に焼き付いて離れない。


隣を見ても彼はいない。違う、見えない。他の人は話して笑って、触れている。どうして。


どうして、わかんないんだろう。


そうやって考えてる間に放課後になっていた。