見えない君は大切な人




彼は、ゆっくりとノートを開いた。


でも、その中身を見る前に、視界が急にぐらりと揺れた。


待って、


伝えたかった。まだ何もわからない。


でも彼は、何も言わず、ただ静かに微笑んでいた。


そして次の瞬間、私はベッドの上で目を覚ましていた。


夜の部屋は暗くて静かだった。


窓の外からは虫の声だけが聞こえてくる。


でも夢の中で感じた、あの知っていた気がする誰かの存在は、


まだ胸の中に確かに残っていた。


私と、彼……あれは……?


夢に出てきたノート。


あの表紙。どこかで見たことがあるような気がする。