見えない君は大切な人




今日も一日、誰もいないように見えた。


でも、その席には確かに人が座っていたはずで、クラスの誰もがそれを「普通」に受け入れていた。


白石くんは存在している。


教科書も持っているし、授業中に指されることもある。誰かに話しかけられれば、返事をしている。


それなのに——


私には、彼が見えない。


声も聞こえない。目で追っても、何も映らない。


空席にしか見えないその場所に、誰もが自然に視線を向け、言葉を交わしている。


私は、その違和感に気づいた初日から、ずっと彼の席を見つめてきた。


けれど、その空白は、埋まることなく、今日も私の目の前にあった。