見えない君は大切な人



——そのとき。


「はる――佐伯さん?」


突然、背後から名前を呼ばれて振り返る。


そこには、クラスの女子が立っていた。前の席の子だ。


私を見て、少し不思議そうな顔をしていた。


「……蒼真のこと、気にしてるの?」


唐突にそう聞かれた。


私は言葉に詰まる。何も言ってないのに、どうして?


「なんか……見てたから。あ、別に変な意味じゃなくてね。佐伯さん、隣の席だし」


彼女は気まずそうに笑いながら言い訳する。


私は思いきって聞いてみた。


「……ねえ、白石くんって、どんな人?」


彼女は少し驚いたように目を見開いたあと、すぐに答えた。


「優しいよ。ちゃんと目を見て話す人っていうか……」


そう言ってから、ふっと笑う。