見えない君は大切な人



昼休み、私は一人で教室を出た。


誰かと一緒にいたいという気持ちよりも、むしろ一人になって考えたかった。


向かったのは、職員室前の掲示板。


廊下の壁に貼り出されたクラス一覧表。


出席番号と名前が、プリントされた紙にきれいに並んでいる。


私の名前もあった。27番、佐伯遥。


なら、彼は——白石蒼真は、どこ?


そう思いながら、26番を見る。


26番 白石蒼真


そこには、確かに名前があった。


ごく普通に、他の生徒と変わらず、そこに載っていた。


でも——最初に見たとき、私の目には彼の名前だけが抜け落ちていた気がしたのだ。


「見えてなかっただけ……?」


呟いた言葉が、胸の奥に重く沈んだ。


いや、違う。ただ「気づいていなかった」と言うには、何かが決定的に欠けている。


私は、そのまま生徒手帳を取り出して確認した。


新入生全員の写真とプロフィールが載ったページ。


26番の欄に目をやる。