見えない君は大切な人




それはほんの一瞬だったけれど、確かにそこに向けられた眼差しだった。


「……やっぱり、いるんだ」


声にならない言葉が、口の奥に浮かんで、すぐに消えた。


私は目を閉じて、呼吸を整える。


何が起きているのか、わからない。


けれど、わからないままではいられない。


何かが——私だけに、見えていない。


その後も違和感が消えないまま1日を過ごした。


掃除当番の確認が終わって、ホームルームもあっさり終わった。


クラスメイトたちはそれぞれ、部活や寄り道の予定に向けてばらばらと立ち上がっていく。