魔法で恋を操る女になった私は、すべてを奪った帝国に復讐する

 エヴァリン王女が絶叫する。

 「お兄様……私を捨てるの? この女に? どうして!? あの女なのよ!? 

 お兄様がずっと嫌ってたアレクシスの許嫁だった女なのよ!!」

 彼女は椅子を倒し、髪を振り乱し、宙を掴むようにして狂ったように叫んだ。

 侍女が止めようとするが、押しのけて進もうとする。

 私は一歩、彼らの間に踏み出し、ただ一言を告げた。

 「哀れね。‥‥恋も国も、私の足元に落ちたわ」

 その言葉で、エヴァリンの心が砕けた。

 空虚な目で何かをぶつぶつと呟き始める。

 王子は、跪いたまま私を見上げている。

 愛しさと渇望に焼かれながら。

 私はそんなディランの前に立った。

 「あなたの愛なんて、呪いより始末が悪いわ。私の大切な人を見殺しにしたその口で、愛を語るなんて‥‥虫唾が走る」

 「あ‥‥ああああ‥‥」

 「哀れね。私のために狂ったその目で‥‥永遠に、私を手に入れられないことだけを見てなさい」

 「‥‥‥‥あ‥‥」

 ディランはその場に前のめりで倒れた。

 帝国の誇りは、全てが崩れ去った。

 私は確かに、それをこの手で──美しく、完膚なきまでに壊した。


 
 復讐は終わった。


 
 私と、アレクシスとフィロメアの‥‥この瞬間、私はこの上ない高揚感に満ち溢れていた。