試合から数日が経った放課後の帰り道「やっぱ晴美ちゃん、オレじゃなくてお前目当てだったぁ~」と、直太が泣きついてきた。

「橘君が晴美のことどう思ってるか、それとなく聞いてくれな~い?って頼まれたぁ~。なあ、どうなの? 晴美のことどう思ってるのぉ?」

 ぐにゃぐにゃ落ち込みながらも和田の頼みをちゃんと聞いてやる律儀な直太。
 いいヤツなんだけどなー。
 女子には伝わりにくいらしい。

「なあ、どうなの~? オレのことは気にしなくていいから、本当のこと言って~」
「クラスメイトの1人」

 本当のことを言ったら「だよなー」と、直太がため息を吐いた。

「好きな相手にフラれた挙句、好きな相手に辛い現実を告げるオレの役割何回目?お前ばっかモテてズルい~」