「おーい、ポメー。そろそろ朝の実習終わる、けど……」
 ひょっこり顔を覗かせた橘が「ぬぉ?」と、声を裏返らせた。
 いつの間にか、そんな時間になっていた。

「何? どうした? 腹痛い?」
 オロオロしている。
 心配してくれている。
 そしてそんな橘のことを本当は……。

 涙をごしっと拭って、桜井さんの……カナエちゃんの手紙をぎゅっと胸に押し付け、橘を見つめた。

「橘」
「え……ごめん」