零は、魔導塔の中層に到達する。
そこは“魔力100”の貴族たちが住む世界。
空に浮かぶ庭園、魔法で彩られた空間。
零の汚れた足が、その地を踏むだけで、貴族たちは顔を歪める。

「汚い」「下民が」「魔力ゼロが」

零は拳を振るう。
その拳が、空の庭園を砕く。
白露の記憶が揺れる。

「零……君は、来てくれたの?」

天と地の差。
100と0の境い目。
零は叫ぶ。

「アタイは、地の底から来た。
でも、アンタを取り戻すためなら、天でも地獄でも行ってやるよ!!」