「やっぱりダメです。今後、社長の笑顔は封印してください」
「君の望みじゃなかったのか」
「だってこのままじゃ、みんな社長のこと好きに……」
私は冷めてきたコーヒーを喉に流し込み、本音も一緒に飲み込んだ。
すると社長はフッと笑って「わかった」と言った。
「こうしよう。俺の笑顔は君が独占する。その代わり……」
「その代わり?」
「君の全部は俺が独占する」
「全部……」
「そう。君は気がついていないだろうけど、経営戦略部の大野は君に気があるし、広報企画部の男性陣は君をチームメンバーに希望していた」
「いやいや、そんなことあるわけ……」
苦笑いしながら首を横に振っていると、背後から急に誰かが私の肩をつかんだ。
同時に社長の目がスッと鋭くなる。
「こんなところにいた。後藤さん、こっちにおいでよ」
振り向くと私を呼びに来たのは経営戦略部のチームリーダー大野さんだった。
私はすぐに社長の顔を確認する。彼の白けたような目が「ほらな」と言っているようだった。
「あーっ! 社長、こっちに来てくださいよー!」
「休憩時間も唯子と一緒ですか?」
今度はあっという間に女性社員たちが社長を取り囲んだ。
これには私も目を細く鋭くして社長を見返す。
彼は困ったように眉根を寄せ、小さく咳ばらいをした。
「後藤さん。いや、……唯子さん!」
「えっ、あ、はい」
「さっきの独占契約の件、契約書を作成しておいて」
「君の望みじゃなかったのか」
「だってこのままじゃ、みんな社長のこと好きに……」
私は冷めてきたコーヒーを喉に流し込み、本音も一緒に飲み込んだ。
すると社長はフッと笑って「わかった」と言った。
「こうしよう。俺の笑顔は君が独占する。その代わり……」
「その代わり?」
「君の全部は俺が独占する」
「全部……」
「そう。君は気がついていないだろうけど、経営戦略部の大野は君に気があるし、広報企画部の男性陣は君をチームメンバーに希望していた」
「いやいや、そんなことあるわけ……」
苦笑いしながら首を横に振っていると、背後から急に誰かが私の肩をつかんだ。
同時に社長の目がスッと鋭くなる。
「こんなところにいた。後藤さん、こっちにおいでよ」
振り向くと私を呼びに来たのは経営戦略部のチームリーダー大野さんだった。
私はすぐに社長の顔を確認する。彼の白けたような目が「ほらな」と言っているようだった。
「あーっ! 社長、こっちに来てくださいよー!」
「休憩時間も唯子と一緒ですか?」
今度はあっという間に女性社員たちが社長を取り囲んだ。
これには私も目を細く鋭くして社長を見返す。
彼は困ったように眉根を寄せ、小さく咳ばらいをした。
「後藤さん。いや、……唯子さん!」
「えっ、あ、はい」
「さっきの独占契約の件、契約書を作成しておいて」



