推しが隣に引っ越してきまして 〜月の裏がわ〜


「亮ありがとう。」

「ほんまやで。」亮ちゃんが言ってから笑う。

「佑月から電話きて何事かと思ったわ。俺、ラーメン食べに行くとこやったんですけど〜。」
亮ちゃんが冗談っぽく言う。
「まぁでも、命救えたんなら良かったったすわ。」

「すすすみません…。せっかくの貴重なお休みが〜〜」
「あ〜亮が泣かした〜」

「違う違う嘘やって!いや、ラーメン行こうとしてたんはほんまやけど、別にええよ全然。こういうことあった方が楽しい。」


佑月くんが、亮ちゃんを見て、亮が焦ってるってくくくって笑う。


「別にラーメンこの後行ったらいいじゃん。」

「うーん。それは難しいかもしらんなぁ。」ウィンカーのカチカチ、って音。
「予約制やねんなぁ。」


「よよよ予約…」予約制のラーメン屋って何?私の頭の中には、高級感あふれる店内の情景が思い浮かぶ。そんなラーメン屋行ったことない。

「なんてラーメン屋さん?」
「チャーシューは宇宙」
「どんな名前?」


チャーシューは宇宙、チャーシューは宇宙…あとで調べよう、と思って頭の中で復唱した。