「今日俺が帰って来たら、ここで、ソファーに倒れてて、心配だったから、声かけて…。」
「なにそれ。え、え…顔見知りやったん?」
「まぁ。」
「まぁ。って何やねん。お名前は?」
「凛ちゃん。」
「…知ってんねや…。」
亮ちゃんが頭をぽりぽり掻く。「ほんで?」
「ほんで……?」
「何キョトンとしてんねん。」
かみちゃんが眉間に皺を寄せる。
「ただの隣人さんにここまでする?って聞いてんねん。もたれかからせちゃって。たまたま通りかかった人とかに誤解されても知らんで。」
ごもっとも……。
私の声が佑月くんに届いたのか届いてないのかはわからないが、佑月くんが「でも、ほっとけないでしょ?」って言う。
すぅ……、と亮ちゃんが息を吸って、やれやれ、って小さくため息をついた。



