部屋を掃除していたら、手紙を見つけた。
“凛へ”
封筒に書かれた字を見て、心臓が大きな音を立てる。


恐る恐る中を見る。


”いつも手紙を書いてもらってばかりだったから、今回は俺が書くね。”


なんでそんな手紙がこんなところにあるんだろう。


”凛の好きなところは、小さな幸せを見つけるのが上手いところ。凛と一緒にいると、今まで素通りしてたような小さな幸せに気づくことができる。なんでもない日が特別になる。
あと、嘘がつけないところ。真面目なところ。


”凛が、凛のままで生きていけますように。
自分らしく、好きなことは好きなままで、嫌いなことや受け入れられないことを受け入れないままでも幸せに生きていけますように。これからも凛の周りの世界が、凛にとって大切なことを誤魔化さずに生きていける、そんな優しい世界でありますように。


俺はずっとずっと、凛の幸せを願ってる。
たとえ凛のそばを離れなくちゃいけない日が来ても、俺はずっと、凛の味方だよ。


佑月”




手紙をそっと胸に抱きしめる。佑月くんが好きって言ってくれた私ごと抱きしめる。佑月くんは、やっぱり、私がピンチの時にいつも助けてくれる、私のヒーロー。


でもきっと、私の前に突然現れてくれるのは、これが最後だろうな。