推しが隣に引っ越してきまして 〜月の裏がわ〜



佑月くんが、紙を取り出す。
“W/U 2020.XX.XXdebut!”

「まだ、俺ら6人と、マネージャーしか知らない。」
佑月くんが紙から顔を上げて俺をみる。

「デビュー、決まったよ。」
目に涙がどんどん溜まっていく。
視界が涙でいっぱいになる。debutの文字が滲んでいく……。


あの時何度も想像した、大きな会場と歓声とメンバーの表情。
そこに俺はもういない。