『実際どうなの?自分でモテる実感とかあるの?』
「あ〜モテますね。」
『ほらもう全然謙遜もしない。ムカつくな』
「俺ずっとモテ期ですよ。」
『やかましいわ』
『バレンタインとかは?』
「バレンタインは、もう自分からちょうだいってやってました。あげるあげないでモジモジしてる子見ると、可愛いなって。だから、ちょっとそうやってるのを見てから、「それ、俺にくれようとしてる?」って言って、「えっ!」ってなってる反応もまた可愛くて」
『うわうわうわうわ』
『で?亮ちゃんは佑月くんを指差してたけど』
「そうですね〜。」亮ちゃんが頷く。
佑月くんが、「どうも瀬名佑月でーす」って右手を挙げる。
『佑月くんは?メンバーカラー青、リアコ担当……って台本に書いてあるんだけど、このリアコって何?』
「リアコって言うのは〜、」佑月くんが笑う。「簡単に言うと、身近にいそうなかっこいいお兄さんってことです。何真面目に説明してんだろう。」
『じゃあ〜リアルにいそうでいない恋愛対象になるアイドルみたいなことか!』
「あ、そうですめっちゃそれです!」
『確かに近所のお兄ちゃんって感じ』
『この中だと一番オーラない』
「ちょっと待ってください。笑」
佑月くんが椅子から立ち上がる。
『……で、亮くんは、5人の中だと佑月くんが一番モテると思ってるの?』
「あ、そうですねー、あの〜……結局最後はみんな佑月を好きになるんですよ。」
『なにそれ』
「僕とかは、まぁなんかわかりやすくモテるんですけど、」
『やかましいよ』
「最初キャーキャー言われて、でもすぐ飽きられます。」
『あんまり君のこと知らないけどそんなことないと思うよ!?』
「その点佑月は、ハマるまで時間かかるけど、ハマったらもう抜け出せない、沼です。」
『でも佑月くんは亮くんの方がモテると思ってるんだもんね?』
「はい、絶対俺よりモテる。」
『お互いがお互いをモテると思ってるのがいいね。』
『じゃあもし、同じ子を好きになっちゃったらどうする?』
「どうする!?」
佑月くんが予想外の質問に前のめりになる。
亮ちゃんは佑月くんを見て「俺絶対譲らん」って言う。
佑月くんは少し考えた後、「俺譲るわ」って亮くんを見る。
『譲るの!?』
「亮に全然勝てる気しない。うわ、絶対にライバルになりたくないっすわコイツと。」
「いや俺もやで」



