眞鍋side
この人は、一体何を言っているんだろう。
診察室に呼び出され、医者から病状について説明される。淡々と告げられる病状。
「この症状は、再発のリスクが極めて高く——」
医者が俺のレントゲン写真を指しながらずっと何か喋っている。全然頭に入ってこない。この人はずっと何を言っているんだろう。
「次発症すれば、今度は治らないかもしれない。日常生活にもきたすようになります。」
「それって……」
「ダンスを今後続けるのは極めてリスクが高いと言えます。」
「俺は、ダンスをもう仕事にできないということですか。」
声が震える。医者は沈黙した。その沈黙は肯定を意味していた。
俺は、床がすっぽり抜け落ちてしまうような絶望感に襲われた。



