佑月くんと、亮くんと、大樹くんと、姫希と、巧。みんなは、俺にとって憧れだった。
特に巧はすごい。才能とはこういうことなのだと思い知らされる。
俺には、何があるんだろう。この人たちとずっと一緒にいるためには、どうしたらいいんだろう。
俺は、人一倍練習した。
ダンスレッスンを受けた後、ひとり残って練習をする。
スタジオで大の字になって寝転がる。
目を閉じる。
——たくさんの観客がステージを見つめ、歓声をあげる。
ステージの上にいるのは、僕たち6人。
オリジナルの衣装を着て、オリジナルの歌を歌う。誰のバックダンサーでもない。主役は僕たちだ。
そんな光景を、瞼の裏に描く。
「……よしっ」
勢いよく起き上がる。
そんな日が、本当に来るかもしれない。そう思えたから、練習なんて、ちっとも苦じゃなかった。
——その瞬間だった。
立ち上がろうとした足に、妙な違和感が走る。
え……?
うまく力が入らない。
かろうじて立ち上がるも、バランスを崩して、俺はそのまま床に倒れ込んだ



