亮side


部屋に入ろうとしたら中から巧の声がした。


「俺、佑月さんと一緒にデビューできて、本当に良かったと思ってます。一緒のグループで活動できることは、俺の、誇りです。」


ドアノブにかけていた手を下ろす。
廊下の壁に寄りかかる。
すっかり、頼もしくなっちゃって。それもそうか、あれからもう7年も経ってるんだもんなぁ。


それから程なくして、巧が部屋から出てくる。
「あ。」巧が俺に気づく。
「佑月、嬉しいやろなあ。」
「あ、聞こえてました?」巧が恥ずかしそうに首をすくめた。


俺は、このグループが結成されたときのことを思い出していた。


——佑月さんも一緒がいいです。
巧のあの時の表情は、今でも鮮明に覚えている。