俺たちは慌てて廊下に出る。
「お前らそんなことばっかして恥ずかしくねえのかよ!」佑月さんの怒号が廊下に響く。
怒りのあまりその声は上ずっていた。
佑月さんの前にいたのは選抜組の峰くんと藤崎くんだ。
やばい、と直感した。
あっちゃー、と隣で姫希がつぶやく。
亮さんが一歩前に出る。
「あっ。」思わず、亮さんを止めそうになる。
亮さんに声をかけようとする俺の肩を、姫希がつかむ。
姫希の顔を見る。うん。と頷く姫希。
俺が言うのも変だけど、なんだか、頼もしい、先輩らしい目だった。
つかつかつか。亮さんが佑月さんの横に行って、その腕を掴み、部屋に連れ戻そうとする。
「まだ話は終わってない。」
「佑月。」
亮さんが佑月さんを見る。
亮さんが、峰くんと藤崎くんにぺこって頭を下げる。
「謝らなくていい。」佑月さんが言う。
亮さんはそれには構わず、佑月さんを引っ張る。佑月さんも渋々、連れられて、部屋の中に入った。
「佑月くん、かっけ~……」いつの間にか隣には太一くんもいた。



