推しが隣に引っ越してきまして 〜月の裏がわ〜



「えっ、姫希くんって俺の年下なの!?」
「そうだよ。」
パックをしたまま、姫希くんが振り返る。
「なんだ、てっきり年上なのかと思ってた。」
「巧の1個下だよ。高2だもん。」
「まじか。」
「ここでは俺の方が先輩なことに変わりないけどね~。でも、ため口でいいし、呼び捨てでいいよ。」
「あ、ありがとう……。」
「姫希が先輩してる~」亮さんと大樹くんが笑う。
「だって先輩だもん。」と姫希。




「お前ら恥ずかしくねえのかよ!」
突然、廊下から大きな声がして、姫希が「うおっ」と肩をすくめる。