推しが隣に引っ越してきまして 〜月の裏がわ〜



10通くらい読んだ。


どれも、一生懸命俺のために書いてくれたことが伝わる暖かい文章だった。
俺を見てくれてる人は、こんなにいたんだ。
つい、ネガティブな声ばかり気にしていた。
ちゃんと、俺を応援してくれている人が、確かにいる。
それを感じられたことは、俺にとって大きな励みになった。
批判する人ばかりじゃない。この人たちのために、頑張ろう。

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大樹くんがお風呂から戻ってきた。
「なにこれ!?」
「佑月さんが、事務所から持ってきたって……。」
大樹くんが目を丸くする。それから、アハハ!って笑う。
「佑月もやること大胆だねえ。」
大樹くんがファンレターを1枚手にとる。
「佑月も佑月なりに、巧を元気づけようと必死なんだね。」
大樹くんが微笑んで、俺の顔を見た。