推しが隣に引っ越してきまして 〜月の裏がわ〜





公演が始まり、慌ただしく日々が過ぎていく。


公演終わりの楽屋。
スマホを開く。


《なんで一ノ瀬がセンターなの?》
《峰くんの方が絶対によかった》


選抜組をずっと応援してきた人たちの声が目に入る。
世間の声は、厳しかった。


圧しかかる重圧、世間の声、内部の妬みやっかみ、いろんなもの間で板挟みになった俺は、自信を失っていった。
幕が上がるのが、怖くなった。


昨日まで出ていた高音が今日は出なかった。
あぁ、きっと俺は、また明日も叩かれる。