推しが隣に引っ越してきまして 〜月の裏がわ〜



それから程なくして俺の分の布団と枕を抱えた大樹くんが帰ってきた。

本来5人分の布団しか敷けないスペースに6人分の布団を無理やり敷く。
電気を消して寝床につく。

みんなで狭~って笑いながら寝る。


目を閉じる。
こんないい人たち、今までどこにいたんだろう。
レッスンが被らなかったから出会えなかったのか。
いや。

それもあるだろうけど、きっと一番大きな理由は、俺が心を閉ざしていたからだ。

一人の殻に閉じこもっていたから、周りに俺の味方になってくれる人がいるってことに気づけなかったんだ。