部屋は畳で、布団を敷いて寝る。布団を敷く。一枚足りない。俺の分だ。
「あ、そうか。」
佑月さんが気づく。
「じゃ、大樹は畳に雑魚寝で。」
亮さんが笑う。
「なんでやねん!」
大樹くんが笑う。
「エリート風邪引かす訳いかんもんな〜?」
「俺はいいのかよ!」
と、大樹くん。
大樹くんの笑顔には、周りを明るくする不思議な力がある。
「大樹〜、隣の部屋から巧の布団持ってきて」
佑月さんが大樹くんに言う。
「おっ、いいよ!」
大樹くんはなんの躊躇いもなく隣の部屋に乗り込んで行った。
裏表がなく敵もいない。
本当に太陽みたいな人。
「あの人すごお」
太一くんが笑う。



