それから、練習中は佑月さんと亮さんといるようになった。
2人と一緒にいて、気づいたことがある。
多くの研修生が選抜組を取り巻く一方で、そうではない人たちも数人いた。
いわば、大きな派閥に属さない人たち。
「俺らは、はぐれ者なんや。」
と亮さんは笑ったが、俺はそうは思わなかった。
2人は、馴染めなかったわけではない、自ら意思をもって派閥に属さないことを選択している、そんな風に感じた。
佑月さんは”馴れ合おうとせず、自分を貫いていてカッコいい”と俺に言ったが、全く同じことを俺は、亮さんと佑月さんに対して思っていた。



